最近読んだ本は、執行草舟著「人間の運命」
この方の本は、ことの節目や一息ついて次へ向かう際、決断する時などに読みたくなる傾向にある気がします。緩んでいる箇所を締め直してくれるような文章が、日々ズレた自分を正してくれます。さまざまな読みたい本を積んでいるのですがが、どうしても優先してしまいます。
この著者の本に出会ったのは確か2014年、一度目の東京から戻っていた時で心身のこともこれからのことも本当にどうしたらいいのかわからない状態でした。生き方を見直したいと考えていた時に「根源へ」という本がPCの画面上に現れ、そのtitleと本の佇まいに惹かれ購入しました。
手元に届き驚いたことは、装丁が絵画作品だったこと。この絵を描いた人物は誰なのかすぐ名前を確認しwebで検索してみると、この本の著者が運営する戸嶋靖昌記念館というものがあることを知りました。どうしてもその絵を直に見たく、深夜バスで東京へ向かい初めて戸嶋の作品を目の前にした時のことが今の自分を構成していると思っています。本当にそれまでのあらゆるものを壊してくれたように感じます。(「根源へ」の装丁に描かれた絵は、戸嶋の絶筆となった〈魅せられたる魂 ー執行草舟の像ー〉。当館には何度もお世話になっており、今でも何かがある度に見に行くようになりました。)
当時はまだ金属をやっていて、これまで続けてきたことを途中で投げ出してはいけないと思い金属でその時に受けたものをどうやったらできるのだろうと考え、鉄にも手を出したりしました。しかし、なかなか体調も良くならないこともあり2018年に辞め、2020年頃から油彩を始めました。(いつでも始められるように画材は手元にありました。2017年まで働いていたatelierの最後の給料が机の上に置いてあり、それとは別に”君の未来へ!!”と記された封筒が添えてあったので、それを持ってそのまま画材屋へ向かい画材を手に入れた記憶があります。)
この戸嶋靖昌の作品の前に立ち”何ものか”を受け取ったように感じたことが絵を始めるきっかけになったわけですが、絵はもちろん好きで興味があります、それとは別に興味のあることはその”何ものか”(enelgy)のことなのだろうと思っています。電気やガスなどは生活に必要なenergyですが、そうではなく人間であろうとすること/しっかりと死に向かうためには ”何ものか”が必要なのだろうなと思っています。今、絵をやっているのはそれだけのためかもしれません。絵が特別描けるわけではありませんが、起き上がることができないのは辛いですから。
そうやって、絵や音楽、文学などから受け取った”何ものか”が、今の自分を築いてくれているのだなと思います。
すっかり絵の話になってしまいましたが、はじめに読んだ「根源へ」から得られたenergyが凄かったので今でも著者の本は読み続けています。
今回で連日のまとめて予約投稿は最後です。また何かあったら文章にしたいと思います。
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