20231114 : 作品text #001

作品について

 Still life , Natura morta #02に関して。

東京へ移動して最初の作品。自分自身でも驚くような仕上がりに描けた。りんごを青で描くことなどもそうであるが、もっと全体的に違っている。環境の変化がそうさせたのだろうか。

これまでは四六時中環境を変えずに描けるよう蛍光灯の下で描いていたが、今回から自然光で描くようにした。今の部屋に移った理由がまさにそれであった。この前に3週間ほど過ごした部屋では絵を描く気分にはなれなかった。それだけ光というものは絵にとって重要な要素だと言える。そして、日本の東京にいるのだからその土地の光を使わなくては作品にとって勿体無い。夜が明け対象に光が届きしっかり見える状態を描くことも日が暮れゆく中で微かに見える対象を目を凝らしながら描くこともとてもいい。

絵を描いていて改めて感じることは、確固たるものなど存在せず、とても曖昧で不安定なものであるということ。輪郭や境界線、色は時間帯や光の当たり方によって変化する。それによってものの見え方や印象は大きく異なる。受ける側のconditionにも依る。ある瞬間で見たものが次の瞬間では違っている。同じものを二度と見ることは出来ないのだ。

世界は今、とても不安定な状態にあるように感じる。本当のことかもしれないけれど、私がそのように感じているだけなのかもしれない。実ははじめから均衡を保ってなんかいなくて、ただ安定しているように見えていたのかもしれない。何もないこと自体が奇跡的なことなのかもしれない。

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