20240419 : 作品text #010

作品について

Still life , Natura morta – #011 について。

われ童子の時は語ることも童子のごとく、思ふことも童子の如く、論ずることも童子の如くなりしが、
人と成りては童子のことを棄てたり。
今われらは鏡をもて 見るごとく見るところ朧なり、然れど、かの時には顔を対せて相見ん。
今わが知るところ全からず、然れど、かの時には我が知られたる如く全く知るべし。

新約聖書より

旧タイトルであったschiettamente(スキエッタメンテ)は伊語で”素直に”、”装飾しないで”を意味する音楽用語

冒頭の引用は、押井守監督作品GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊でも用いられたことでも有名な「コリント人への第一の手紙」より。

現代語に訳すと

わたしたちが幼な子であった時には、幼な子らしく語り、幼な子らしく感じ、また、幼な子らしく考えていた。
しかし、大人となった今は、幼な子らしいことを捨ててしまった。
わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。
わたしの知るところは、今は一部分にすぎない。しかしその時には、わたしが完全に知られているように、完全に知るであろう。

こちらのブログより引用

作品が何かを伝えたいのか語りたいのか云々ではなく、自身の作品について/作品に対する考え方や思いを説明するのにちょうどこの文章が大枠で説明してくれているように感じたので用いた。

もちろん、描いたのは枯れた石榴なので、冒頭の”童子のことを棄てたり”でそれを指しているとも言えるのであるが。ザクロもさまざまな意味を持つ果物だが、何を象徴するのかなんてことは省いてもいいくらいに気に入っている。

前作とはほぼ同時進行で1週間と違わないにも関わらず作風が違って感じられるかもしれないが、気にかけることが増え、重点が違っているだけで何も変わらないと思っています。

素直に誇張せず、童子の如く。

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