『イメージを読む』
著者:若桑みどり
ミケランジェロの《システィーナ礼拝堂》、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》、デューラーの《メランコリアⅠ》、ジョルジョーネの《テンペスタ(嵐)》…この4作品それぞれを軸に章を形成し深く言及している。この作品を語るのに必要な作品にも触れているため出典されている作品はもっと多い。
絵を始めなければ良かったと思う瞬間が度々ある。それは美術館やgalleryへ絵を見に行った時、絵を分解/解剖的、どのように筆を置いているか、マチエールは、何が作用しているのか、どこに〇〇をすることが画面に効果的/効いているのか、隣り合う色は、どのように処理しているのかなど、見方がつまらないものになってしまっていること。
本来、この本に書かれているように愉しむ/見ることが望ましい。レオナルド及びモナ・リザに言及した2章はもちろん、特に4章は興味深く面白い内容だった。
最後に、描くにおいても鑑賞側にいる時にも忘れがちな大切なことを抜粋します。
絵を見るという行為は、いつでも、作者の見た目で、世界を見るという行為です。また、見る人間もそこに参加します。そうして、今度は自分の目でそのイメージから自分の意味をひき出すのです。そこにはいつでもさまざまな体験や感情や経験をもった人間のコミュニケーションが成立します。そして人間はいつでも、ことばによってのみコミュニケーションをするのではなく、ことばにならないものを、イメージによって伝えてもいるのです。
『イメージを読む』 若桑みどり・著
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