【 無花果Ⅱ - Still life – 】

F3(273 x 220mm) Oil on canvas 2021.December

by tokio suzuki

2021年制作 油彩・静物画:いちじく


家主がいなくなった家先に実っていた無花果を描きました。

” 國破山河在 ” 国破れて山河あり。

もう何年も放置されている為にそれほど生育は良くないけれど、毎年その時期が来ると実をつけています。美味しくはないだろうし、食べられないかもしれないけれど、その循環は繰り返されています。

Still lifeという言葉も気に入っています。 日本語訳では静物や静物画が一般的だと思いますが、それとは全く別物としてstill lifeは存在する言葉のように感じます。 「静かな命、生活、もの」という意味のある言葉ですが、これはドイツ語の”stilleben”(シュティルレーベン)から来ています。それが、アルプスを越えると、イタリア語では、”Natura morta”(ナツゥーラモラタ)、フランス語でも”Nature morte”「死んだ自然」という言い方に変わります。 私は雪国育ちだからでしょうか、前者に似た意味合いで捉えているところがあります。

 

” 見捨てられたものの中にこそ本当の美しさはあるのだ ”

人間も人の為、社会の為にとただただ生きる必要はないのではないでしょうか。


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