200240331 : 作品text #09について

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Still life / Natura morta #09 について。

確かに我々の眼は開けたし、善と悪の両方を知った。つまり善が失われ、悪が生じたことを知るにいたった、と思う。これが知るということならば、われわれのえたものは知識の悪しき結実といわなけれなならない。

ジョン・ミルトン著『失楽園』より

旧タイトル【octave】,オクターヴ。ドレミファソラシの7音階に高さの異なる始まりの同音ドに辿り着く8音。カリンガ8つ描かれたこの作品。この8という数字は、聖書においては神の創造の七日間、そして八日目にはキリストの復活、新しい始まりと永遠という意味を持つ数字。

Quince 、所謂マルメロはりんごと共通する象徴として扱われることがあり、善悪の樹の実(知恵の実)でもある。

毎日報道されることや世界で起こっていることが善であるか悪であるのか、世の中に思っていること全てを言うつもりはありません。”沈黙は金なり”などと、そのようなことを言うつもりはありませんが。

このようなtextを添えると大層意味ありげに感じられるかもしれないが、作品が何かを訴えるものではないし、大した意味などありはしないのだ。

今回、この作品においては一部クロムイエローを使用したのは、長期同じ状態ではなく変化していくようにするため。黒くなっていくため時間が経てば絵も朽ちたようになるのではないかと考えたから。絵を描く者としては変化しないことが理想なのだと思うが、このようなことをするのは私らしいのではないでしょうか。

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