【 ether – fifth element – 】
F8(455 × 380㎜ ) Oil on canvas
2023.December
by tokio suzuki
光あれ!
創世記より
光を昼と名づけ、暗を夜と名づけ給うた
山形県産のカリンを見かけたので思わず手に取りました。しかし、これまでの見慣れた形ではなく全く知らないもの、これがおそらくはChinese quinceなのかという解釈をしています。コロッとしたラ・フランスのような形のもの、おそらくはマルメロに近いものばかりをカリンと思っていたのでこれはいい気づきができたと思います。描きたい対象はマルメロ型(マルメロ)でしたが手に取った瞬間悩むことも迷うこともなく描くことに決めました。最近は直感を信じるようにしています。これが描きたいと思ったらそれを止めない。カリンは置いておくだけであの香りが部屋に広がるので悪くはないです。そういえば、1年前もカリンを描いていました。【 Quattoro 】あの時もこの香りをも描けないかと思っていました。しかし、今回描きたかったのはそれに加えて光、夜が明け部屋に入り込んでくる光がカリンにほのかにあたり姿が現れる様子でした。これはカリンに限らず本当にかっこいい。12月8日の時点で6時でもまだ暗く、7時手前までの半刻ほどが1日の中でもすごくいい時間。夜中に起きて描く生活を送っていますが、蛍光灯の下描くよりも自然光で描いた方が断然いい表情を見ることができます。
タイトルのether(エーテル)は、地水火風の四元素に加え第5番目の元素があるとされていたものです。4つのカリンと第5番目の要素、それがこの作品の主題。私が見るということは光を向ける/与えること。対象が放っている内側の光と共振することでそれは現れます。
”この天妙な第五元素は上へ上へと昇ってゆき、さまざまな形を与えられて生けるものの如く躍動し、やがて円周を描いて回転するにいたり無数の星になった。”
昨今の世界情勢、また日本国内においても夜が明けるかのように仄かにでも光が差す日が訪れてほしい。
この作品も2024年10月pragmata galleryで見ることができると思います。画面やモニタ越しではなく実際に見てもらいたい、そんな作品です。
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