20230909 :  (space)

 space(スペース)

そこに何もないようで記した人間には文字以上の何かを含んでいると考えます。spaceは宇宙を指すことも面白い。space、universe、cosmosどれも宇宙の意で使われますが、それぞれに違っているのですね。知らなかった。 、ただ一字分が空いたように見えるそこには小宇宙が広がっているのかもしれないなと思うと面白い。

私の好きなSF作家テッド・チャン(Ted Chiang)の著作にAIとchatで会話をする描写があり、人間の返信を待つ時間が、たとえば”yes”と瞬時に返したとしても永遠のように長い時間待っているというように表現されていました。それがいつまでも忘れられない。

最近ではファスト映画などが流行るようで、ことの顛末やあらすじを手っ取り早く知ることはできるけれど、作品に込められた行間や空白はおそらく削られて省かれてみることはできないのでしょうね。

私の好きなタルコフスキー作品なんて退屈な映画はしばらくは評価されることがないのかもしれない。Sky Crawlersもおそらく退屈に感じられるのでしょうね。

先日、園児から中学生の描いた絵を観ました。園児の絵はなぜか気持ちよく観ることができて面白い。私も保育園の時に美術館に展示され家族と観に行ったことを思い出しました。描写、色使い、配色。小学校へ上がり年齢を重ねていくにつれて自意識が芽生えうまく描こうとしているのだろうということも感じられます。人の目とそれを気にする自分の目、これは厄介だなと思っています。普段観ているもの触れているもの、周囲の環境の影響を受けていることを感じる絵が多いなという印象。生活の中でそれだけの情報に触れているだろうことが見えました。

私が何をみているのか、影響されているのかどこでどのように生きているのか、それらが作品に現れるだろうということは画面に全て現れるだろうと思っていますが、気をつけようと思っていてもいつの間にか忘れてしまっています。そして、人目を気にすること、技術競走の土俵へ挑むこと、上手いことがいい絵ではない、技術的に優れていることだけがいい絵であるわけではないことも。もっと絵と自分自身と向き合いたいと思います。

俺は俺だぜ お前じゃないのさ

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