20230408 : いい絵

絵をどうやって描こうかというのはいつも考え悩みます。手慣れたように毎回同じように描いていいものか。

”いい絵”と一言で表すことはできますが、とても複雑な言葉だなと感じています。

昨年、私の作品を展示し、人に見てもらう機会がありました。

私の作品に【冬の旅】という絵があります。ひとりでやってきた男性がその絵をしばらく見入るようにして作品の前に立ち、誰に訊かせるでもないほど小さな声で「いい絵だなぁ」と呟きました。

この瞬間、この男性の中で何が起きているのか、何に作用しているのか、その人のどこに響いたのか、どこで認識しているのか、どんな絵画経験をしてきたのか、どこで生活しどんな生き方をしてどんなものを見てきて今に至るのか…そんなふうに興味を抱きました。もちろん、それを知ったからと言ってその部位・反応する部分を狙うような絵を描こうとは思ってはいません。

普段、あまり人に関心を示さないのですが、このように作品を通して人に興味を示すことになるとは思ってもみませんでした。私は人と会話する際自分が話すことよりよく質問して人の話を聞くことが多いのですがが、興味があれば知りたいと思ってしまうのが正常でしょう。

なんだか何を言いたいのかわからなくなってしまいました。いい絵とはなんでしょうか。きっとそれは、上手い絵や綺麗な絵とは違うものなのでしょう。

人に実際に見てもらえる環境があることは有難いことだと感じています。人に見てもらわないと得られない経験があり、作品は手を離れ見られることでさらに成長するようにも感じ、見てもらうことによって私自身がこれまで見えていなかったものが見えてくるように感じています。

 

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