神戸へ越してきてもうすぐ1ヶ月が経つ。もっともっと長い時間を過ごしたようなそんな感覚があるのだけれど、特に何かしたかと言われたら何もしていないのだよな。どうせ毎日籠って絵を描くかPCに向かってnetをsurfしているのだろうと思われるかもしれないのだけれど、何かと人に会いにいったり、どこかへ出かけたりそんなことをしている。ただ籠って制作していてもうまくいかないだろうというのがある。こういった感覚の変化は経験値から導き出されたものなのかわからないが。
人に会っているというのも、この地がそういうところだからというのがある。自分の神戸の人のイメージはもっとsolidな感じなのかと思っていたのだけれど、みんなで集まって何かをするのが好きな人が多いのかもしれない。そうやっていろんなところへ行かせ/人に会わせ/知り合わせてくれる人の存在というのはとてもありがたい。本当に知り合いがいない状態でどのように生きていくのか不安であったが、外に出て人と出会うたびにその不安は軽くなっていく。
神戸にWAKKUNというアーティストがいる。先日、ギャラリー島田で行われたライブペインティングとトークショーに伺ってきた。自分とは違った/正反対とでもいうのか、そのような人物、そのパフォーマンスを見ることができてよかったと感じる。そして、トークだ。神戸といえばやはり阪神淡路大震災のイメージが強いかもしれない。街を歩いていても常にそれが頭をよぎるのだけれど、経験した者が発する生の声を話を聞けたという経験はやはりこの地へ来てよかったと感じさせるものだった。WAKKUは言う、とにかく生きろ、と。私など、なぜ生きるのか、生きていていいのだろうかということに悩んでいるというのにそれを軽々と飛び越えていく。そういう地なのだ。生きるべきかそれとも死ぬべきか、などとどこぞの小説家よろしくうじうじ考えていては生きていられなかった、そういう経験をしてきた。そういうことだろうと思う。
そのためか、こちらのアートというものは東京でよく見たものとは全く異なるように感じる。これからこの地で私はどんな絵を描いていくのだろうか。
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